西村真悟 論文紹介
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掲載雑誌:月刊日本 4月号 p.118~121
発行所:株式会社K&Kプレス
コラム名:歴史に学ぶ(三十三)
陸軍記念日に乃木将軍を偲ぶ
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【論文より抜粋】
日本軍は、奉天と対馬沖の陸海両面においてロシア軍に勝利した。
この二つの勝利がなければ、今の我々は日本人として生まれていない。
つまり、日露戦争に勝たなければ、我が国はロシアに呑み込まれて滅亡したのである。
奉天と対馬沖の二つの勝利は、我が国の独立と安泰を確保したのである。
従って、この勝利をもたらした二つの日は、それぞれ陸軍記念日となり海軍記念日というまさに
ナショナルデーであり、まっとうな歴史教育が行われているならば、
子供たちに教え続けるべき日である。
この日こそ、日本軍兵士が「英雄的な献身と卓越した勇気」(イギリス国防委員会編『公刊日露戦争史』)を示して祖国日本を勝利に導いて世界を驚嘆させ、世界史の流れを変えた日である。
つまり、この日を知らない日本人はおかしいのだ。
今の我々が、おかしいと思わないということ自体が、おかしい。
これこそGHQの占領政策成功の印である。
(中略)
さて、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』は、日露戦争に陸と海で共にロシアと闘った
秋山兄弟を主役にした歴史ドキュメンタリー小説であり、NHKで放映されつつある。
司馬さんはこの『坂の上の雲』で、乃木希典を軍人として『無能』であるとしている。
そして、昭和の軍隊は、この乃木さんを見習ったから「愚劣」になったと司馬さんは言うのである。
果たして、乃木希典は無能な軍人で、その命令の下で戦死した兵士は、
乃木に「屠殺」されたのであろうか。
そして、昭和の軍隊は愚劣であったのか。
この結論が、我が国の戦後における歴史喪失の結果であるならば、正せばならないと思う。
そこでまず、名称とは如何なる軍人であるかを問う。
国家に勝利をもたらした軍人は名将と言う。
如何に戦上手でも、国家を敗北に導いた軍人は名将ではない。
この意味で、乃木希典は、紛れもない名将である。
しかしながら、明治以降の日本の壮絶なところは、戦う相手の敵国は常に物資豊かな強国であり、
日本は極めて劣勢であるにもかかわらず闘わねばならなかったというところにある。
その国家の闘いのなかで、乃木希典は、常に乃木が負ければ国家が崩壊するという闘いを
担わされた。
乃木は想像を絶する難戦を強いられる旅順要塞の攻略を担当し、奉天の会戦においても
右翼の鴨緑江軍や正面の八津第四軍よりも劣勢で少ない砲数しか与えられていないのに、
ロシア軍包囲の主力としての役割を担った。
ここに乃木希典という明治の軍人が叙述詩的な悲劇性をたたえるに至った理由がある。
この点を、三月にちなみ、奉天の会戦を振り返って述べてみたい。
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